色には黒と白と赤しかない。
大気は完全に乾燥してO2濃度が非常に高い。
砂漠の先の
ヒトサシ指の先は
もっとも敏感であるから 燃えないように
根元をコヨリで縛りつけておく。
塩の結晶一粒
ユビサキにただしく置いて
実験は繰り返される。
「瓜たべたいか?」
「茄子くいたいか?」
「それともにくか?」
「だれのにくか?」
塩たぎらせ
死海の先に
答はいつも蒸発する。
たったひとかけらのおまえの肉は
msec.単位で塩
消費する。
次の塩を
かたすみの光の先に
血の塩を
「放棄せよ/しない」
「痙攣せよ/しない」
脈拍は同期しない。
「遊離せよ/したい」
皮膚をいくら観察しても
感触は既にすりかえられて
とりかえしのつかないそれでも
実験は繰り返される。
降らぬ雨の先に
かたりやまいのただれた舌先に
なめるのでなく
いやすのでなく
私はおまえの
だれよりも高い地の先に
そのユビサキを
かみちぎりたいだけだ。
2019年8月8日木曜日
2019年7月14日日曜日
イカレポンチ
よそゆきしたくできましたか?
寒波情報ゾクゾクながし
パープルのルージュ佳くおうつりになる
嘘の香水ふりまき
こん 紺 紺 紺 ゆきがふる らん 藍 藍 藍 あめがふる
17ビートでよろり よろし あなよろし
こんなクレヴァスに突っ込むのも亦
快感!
はざまに伸ばせば
目蓋の裏にクッキリ蒼い廃墟を映す目眩のレディに
触れることもあります
ふれ ふれ ふれたい 衝動 やみがたく
もう やみ 闇の中ならこんなにまざまざと
かの楼のシルエットを見ることができる
のに
かの夜
いまはぼんやりのっぺり薄い天井しか見えぬその日
依るべなく
ねじりおとす 捻 地下鉄に降りる階段へ
通路 通 際限なく だだぼれに開きつづけて 開 開 開 開 館!
正気も失せたヒトの腐臭 コリント式に崩折れた カフェ・ジャポネスク
天蓋に貼りつく行列蟻 蟻 蟻 ありく ありく ありく たび
ひねり潰す
いかれぽんちの脳髄を
つぷ つぷ
つぷ
ぽつんと
この
血の球は
現実。
寒波情報ゾクゾクながし
パープルのルージュ佳くおうつりになる
嘘の香水ふりまき
こん 紺 紺 紺 ゆきがふる らん 藍 藍 藍 あめがふる
17ビートでよろり よろし あなよろし
こんなクレヴァスに突っ込むのも亦
快感!
はざまに伸ばせば
目蓋の裏にクッキリ蒼い廃墟を映す目眩のレディに
触れることもあります
ふれ ふれ ふれたい 衝動 やみがたく
もう やみ 闇の中ならこんなにまざまざと
かの楼のシルエットを見ることができる
のに
かの夜
いまはぼんやりのっぺり薄い天井しか見えぬその日
依るべなく
ねじりおとす 捻 地下鉄に降りる階段へ
通路 通 際限なく だだぼれに開きつづけて 開 開 開 開 館!
正気も失せたヒトの腐臭 コリント式に崩折れた カフェ・ジャポネスク
天蓋に貼りつく行列蟻 蟻 蟻 ありく ありく ありく たび
ひねり潰す
いかれぽんちの脳髄を
つぷ つぷ
つぷ
ぽつんと
この
血の球は
現実。
2019年7月13日土曜日
彼女の状況についてのいくつかの判断
みぢかいあした
とまれまれまれにはよしなしづかし
ごかしごかしじゃ日も暮れやせぬ
(失礼しました失礼しました失礼しましたと耳の傍で百万遍吠えたら余計失礼に当たるに相違ない)
けそうして
ゆるゆるはじけむとしてござんすか
なかなかにさよかとはいいづらく
まけまけ
(しぬまでしぬほどしぬばかりにと胸の傍で百万遍つぶやいても却ってええかげんにしねといわれるばかりでございます)
ぴんくりぱんからゆうろぺってしもうたの
さまれまれまれにもえるべのほとり霧ふかくゆうしかなしむてか
ほいほえ
Elle est amoureuse.
Elle est amoureuse.
れいもん
ふみいいみいみいさむいよ
けっちゃくっておちょぞかし
よろしゅうによろしゅうにおちょくられられ
ほんでもほってほりしかったこと
(はづかしいはづかしいはづかしいといくら身を縮めてもこれだけ肉が余っておれば目障りとしかいいようがない)
ちゃんちゃかちょんちょこ
あたしはだれれもんね
死ぬるまへにはめもりいをすべて消去しておかねばなりませぬ
だって恥でしょうおおお
がすうぴぬ
やすうけあい
Elle hésite!
ところよころばしからば
墓碑銘にゃんにゃかにょんにょんとぢし
むにゅみゅのろしとって
ほなこつほっとしたらあきまへんで
(善人のみなさまうつくしいおとこのこたちやさしゅう死てもろてほんまにうれしゅうございました)
とまれまれまれにはよしなしづかし
ごかしごかしじゃ日も暮れやせぬ
(失礼しました失礼しました失礼しましたと耳の傍で百万遍吠えたら余計失礼に当たるに相違ない)
けそうして
ゆるゆるはじけむとしてござんすか
なかなかにさよかとはいいづらく
まけまけ
(しぬまでしぬほどしぬばかりにと胸の傍で百万遍つぶやいても却ってええかげんにしねといわれるばかりでございます)
ぴんくりぱんからゆうろぺってしもうたの
さまれまれまれにもえるべのほとり霧ふかくゆうしかなしむてか
ほいほえ
Elle est amoureuse.
Elle est amoureuse.
れいもん
ふみいいみいみいさむいよ
けっちゃくっておちょぞかし
よろしゅうによろしゅうにおちょくられられ
ほんでもほってほりしかったこと
(はづかしいはづかしいはづかしいといくら身を縮めてもこれだけ肉が余っておれば目障りとしかいいようがない)
ちゃんちゃかちょんちょこ
あたしはだれれもんね
死ぬるまへにはめもりいをすべて消去しておかねばなりませぬ
だって恥でしょうおおお
がすうぴぬ
やすうけあい
Elle hésite!
ところよころばしからば
墓碑銘にゃんにゃかにょんにょんとぢし
むにゅみゅのろしとって
ほなこつほっとしたらあきまへんで
(善人のみなさまうつくしいおとこのこたちやさしゅう死てもろてほんまにうれしゅうございました)
2019年7月10日水曜日
ナガサキヤ の
三角のかすてらにね
とおろりチョコレイトをかけるのだよ
たらあり しずくをのこらずなめて
あまいからもつと
辛くてももつと
昔ばんばんじんが
かみやのおんなのこをさらっていった
辻に
わかい白人の娘がやってきて
スパニッシュかと訊くとくびをふって
アルゼンチンとこたえる
ナニワミュージックでおどってるんだってさ
おかねはたくさん呉れるけどねとにほんごで喋り
ぼくはスペイン語がはなせない
ともだち ともだちがほしいのだ
かえりたい けどかえれない
あぶらみのおおい焼鳥ばりばりくいながら
つらくても
たべなきゃいけない
そらのたべもの
たまわりもの
こんこはもおほしがってがまんできないにゃら
ぺろおりいいかげん時ばかり喰って
さまつひさまりつんつん
快楽が
そんなにうれしいかい
じんじんどちじゃんじゃんずきずきくら
カルナバルながすだけながし
ながれて
だから
からだは
まなざしをなくすのだ
ながれて
はてる処もうしなひ
遊離する
よくよく宙釣りのかっとびきかい
金髪の姐ちゃん中空たまんなってまともにうかばれず
きょういっぱいのせんねんぢごく
おいしいね
とおろりチョコレイトをかけるのだよ
たらあり しずくをのこらずなめて
あまいからもつと
辛くてももつと
昔ばんばんじんが
かみやのおんなのこをさらっていった
辻に
わかい白人の娘がやってきて
スパニッシュかと訊くとくびをふって
アルゼンチンとこたえる
ナニワミュージックでおどってるんだってさ
おかねはたくさん呉れるけどねとにほんごで喋り
ぼくはスペイン語がはなせない
ともだち ともだちがほしいのだ
かえりたい けどかえれない
あぶらみのおおい焼鳥ばりばりくいながら
つらくても
たべなきゃいけない
そらのたべもの
むなし
あめのたべもの
ぬれつ
頂戴 ちょうだい ちょおだいよおたまわりもの
まんな
こんこはもおほしがってがまんできないにゃら
ぺろおりいいかげん時ばかり喰って
さまつひさまりつんつん
快楽が
そんなにうれしいかい
じんじんどちじゃんじゃんずきずきくら
カルナバルながすだけながし
ながれて
だから
からだは
まなざしをなくすのだ
あらぬか
ながれて
はてる処もうしなひ
遊離する
よくよく宙釣りのかっとびきかい
金髪の姐ちゃん中空たまんなってまともにうかばれず
きょういっぱいのせんねんぢごく
おいしいね
2019年7月7日日曜日
うらがえしの球
やわらかい。腹のいちばん膨らんだところに細いほそいストローをつきさして深海の
エキスを吸い取る。かたい。管は高純度の
シリカガラスで
精巧につくられていなければなりません。
電解物
自然に風化してるから表面特性とてもわるい。猫の
瞳孔に棲む特殊な菌類が窒素濃度60%以上
湿度11%常温常圧下でガリウム砒素のうえにつくった薄膜を
パックして13分44秒ピールオフ。
生殖にもっとも適した12倍体エイプは
エピタキシャル成長して超微細パターン
腐蝕版に刻む酸化チタン系セラミクスうごく。選択的にふるまう。
ひとの顔はみえない。
太陽風に吹かれてα線がはこんできた
T細胞アルカロイドの毒。1131Hzに同調して
情宣活動をおこなう。A級危険思想のがれるすべはなく
陽子が崩壊するごとにひこうきは
おちる。
靉霪霓霄霎霽靆霆霑霈霾霏雰霹霤靂
げんきにチャーム微粒子のみほせば白亜紀の
羊水マントル亀裂し無辜の鄒鄙鄲鄰
家畜は斃れる。
そこに褶曲収斂して皰皴皹皺いい凶々しき
コンチェルト颪颯颶飄飆2892人乗客船は
しずむ。
まうえから悪意。齣齟齠齦齧齬齪齷齲齶
みんな死んでしまう。
赧赭ああ灼けるテラレッド。アイはアマンは
しんでしまう。
錆びた鉗子がひっぱりだす催奇形遺伝子。
ひとの顔はどこにもみえない。
地球の皮をつるりんちょとめくる角質を
げりげり削ぎおとす麝香鹿の裏革で
たんねんにみがきあげたするする半透過膜
界面活性良好にて剥離層くるりんちょ
うらがえせば
インサイダウト流行遅れの
蝶鮫の象皮病
ブリッジをいれましょう単結晶酸化珪素の
アップサイダウン
NYの表層では
モーニンコンファランス発色剤どっちゃり
黒豚の三枚肉薫煙吟醸かりかりに焼いてね
炭化するまでパラコートわすれないで
手帳にいれてね
さらにさらに
うらがえせば。天体はたんに網膜
あをそこひ希薄な神経叢。ひっくりかえって
なにも聴こえない。
かわいた産屋に
ひとのかおは
無い。
エキスを吸い取る。かたい。管は高純度の
シリカガラスで
精巧につくられていなければなりません。
電解物
自然に風化してるから表面特性とてもわるい。猫の
瞳孔に棲む特殊な菌類が窒素濃度60%以上
湿度11%常温常圧下でガリウム砒素のうえにつくった薄膜を
パックして13分44秒ピールオフ。
生殖にもっとも適した12倍体エイプは
エピタキシャル成長して超微細パターン
腐蝕版に刻む酸化チタン系セラミクスうごく。選択的にふるまう。
ひとの顔はみえない。
太陽風に吹かれてα線がはこんできた
T細胞アルカロイドの毒。1131Hzに同調して
情宣活動をおこなう。A級危険思想のがれるすべはなく
陽子が崩壊するごとにひこうきは
おちる。
靉霪霓霄霎霽靆霆霑霈霾霏雰霹霤靂
げんきにチャーム微粒子のみほせば白亜紀の
羊水マントル亀裂し無辜の鄒鄙鄲鄰
家畜は斃れる。
そこに褶曲収斂して皰皴皹皺いい凶々しき
コンチェルト颪颯颶飄飆2892人乗客船は
しずむ。
まうえから悪意。齣齟齠齦齧齬齪齷齲齶
みんな死んでしまう。
赧赭ああ灼けるテラレッド。アイはアマンは
しんでしまう。
錆びた鉗子がひっぱりだす催奇形遺伝子。
ひとの顔はどこにもみえない。
地球の皮をつるりんちょとめくる角質を
げりげり削ぎおとす麝香鹿の裏革で
たんねんにみがきあげたするする半透過膜
界面活性良好にて剥離層くるりんちょ
うらがえせば
インサイダウト流行遅れの
蝶鮫の象皮病
ブリッジをいれましょう単結晶酸化珪素の
アップサイダウン
NYの表層では
モーニンコンファランス発色剤どっちゃり
黒豚の三枚肉薫煙吟醸かりかりに焼いてね
炭化するまでパラコートわすれないで
手帳にいれてね
さらにさらに
うらがえせば。天体はたんに網膜
あをそこひ希薄な神経叢。ひっくりかえって
なにも聴こえない。
かわいた産屋に
ひとのかおは
無い。
2019年7月5日金曜日
聖愚金曜日
おまえが人生をはかるやりくちは週刊フライデー星占欄に眼ずらしひとりわらいにかっとタナボタ不倫の期待へ胸ときめかすたぐい。
まあまあ感性だからすべてよしとへらへらへ恥じいることだにせず。
アフタファイヴのぶらんこはフラストレーションにふちどられたひたいをかくしてふらりふら。陽光もとよりあらわれず雷すら降ることなく。すくいのめがみは特価1000円駅のまえ被昇天女学館。
このよかぎりの満足をごしょうだいじにすりきれるまでなめながら呆けるフラフープ。
体力だけは万全の構えで容姿知能中流ほどのおつかれヤリガイものほしげによくばりフラッパー負け惜しみに義務と寛容と不公平。
それでも愛はある!
軽蔑と怠惰のおおいなる優しさきりきりささくれだつ道化は低脳な鏡像段階もっともっともっとのぼってあしたはきっと英雄ほめそやされあまやかされ休日ピーカン照り。
まったくほんまにどあつかましいあきれるほどの天下太平
その阿呆んだらが好きなんやけど。
まあまあ感性だからすべてよしとへらへらへ恥じいることだにせず。
アフタファイヴのぶらんこはフラストレーションにふちどられたひたいをかくしてふらりふら。陽光もとよりあらわれず雷すら降ることなく。すくいのめがみは特価1000円駅のまえ被昇天女学館。
このよかぎりの満足をごしょうだいじにすりきれるまでなめながら呆けるフラフープ。
体力だけは万全の構えで容姿知能中流ほどのおつかれヤリガイものほしげによくばりフラッパー負け惜しみに義務と寛容と不公平。
それでも愛はある!
軽蔑と怠惰のおおいなる優しさきりきりささくれだつ道化は低脳な鏡像段階もっともっともっとのぼってあしたはきっと英雄ほめそやされあまやかされ休日ピーカン照り。
まったくほんまにどあつかましいあきれるほどの天下太平
その阿呆んだらが好きなんやけど。
2019年7月4日木曜日
ひろしまや
ふつふつと
なまぬるいのかぬくいのか
うしろあかるい
その温度である。
三和ミュージックのうらてをはいって三軒目
ほんらいならば銭湯なのだが現象はめしやであって。
引戸いちまいへだててうぞうむぞうのうじのせかい
タイルのゆかにもやをしきつめ
生理食塩水のおつゆを張り
陰部がじゅうぶんつかるようにあしをまげて
べっちょりすわります
うわべがだいすきもやしに玉子をいっこおとして
おいしい
うまい
おいしい
うまい
したをぬらす
ぶっかけめし。
みなさんうゑておられた
さすがにひえておられた
ほとほとあそぶみやこどものこゑ。さいさへはやもてんでんやろうて
謡。さわぎ。ならし。
けものどものちご
おおきなどんがらして
ずらずら
ゐならびてよわく
さだめてこころよく
おびえて
うえからあしらう乳いろのあかり
さかながくいたい
よしや貌がない。
ひろしまやのおかあちゃんは
とてつもなくやさしい
たなびくゆうれいにごはんをやるほどに。
それでけっこうもうけてるんやろからもんくはなかろと世間はいうのだが。
なまぬるいのかぬくいのか
うしろあかるい
その温度である。
三和ミュージックのうらてをはいって三軒目
ほんらいならば銭湯なのだが現象はめしやであって。
引戸いちまいへだててうぞうむぞうのうじのせかい
タイルのゆかにもやをしきつめ
生理食塩水のおつゆを張り
陰部がじゅうぶんつかるようにあしをまげて
べっちょりすわります
うわべがだいすきもやしに玉子をいっこおとして
おいしい
うまい
おいしい
うまい
したをぬらす
ぶっかけめし。
みなさんうゑておられた
さすがにひえておられた
ほとほとあそぶみやこどものこゑ。さいさへはやもてんでんやろうて
謡。さわぎ。ならし。
けものどものちご
おおきなどんがらして
ずらずら
ゐならびてよわく
さだめてこころよく
おびえて
うえからあしらう乳いろのあかり
さかながくいたい
よしや貌がない。
ひろしまやのおかあちゃんは
とてつもなくやさしい
たなびくゆうれいにごはんをやるほどに。
それでけっこうもうけてるんやろからもんくはなかろと世間はいうのだが。
2019年7月1日月曜日
一千齣のアニー
石灰岩の酷いにおい
海鈴蘭のかすかなにおい
しろい崖下の小舎にはむかしながらのスタイル英国人夫妻が棲んでいて
黴くさい栄耀につつまれた老人と
年歯の離れた背の高い細君プラチナブロンドおとこみたいに刈り上げ幅広の肩を強調するチャコールグレイのペンシルストライプスーツに身を固め
毎朝仔猫の分泌する水臭いミルクをこっぷに一杯のみながら
わたしたち
ねこを飼っていても女王陛下に
お目にかかれるかしらね? と
真剣に案じながら日々を暮している
菩薩の美徳も才能もキャリアも子をおもう母ごころもみんな使い捨て商品。およめさんに不要品の札ぺたんと貼られようやく見つけたのが生まれてこのかた愛されたいおれは愛されたいのだと喚く以外に何もしたことのないぐうたら亭主
ほらまた
すきとおった天使のかけらが降ってくる
二匹の仔猫はあの荒れた海で拾ってきた。
がりがりに痩せて全身つめたい潮水でずぶ濡れになって黒毛に真っしろの斑がはいった牡のほうは息絶えだえだったけど
牝のほうは灰色虎毛すこし肥っていてまだしも元気があった
あのときからあなたあたしにあまえる口実またみつけたわね
ひきずりあげて懐で懸命にあたためたの。
のんきそうな牝猫しらぬふりであなたと遊んでいたわ
とどこおりなく
よどみなく
おもいにふけるひまもなく
その流儀がかっこよくて
それしかできなくなっていた。
92分間の16mmフィルム作品もう雨がざあざあ降っていて
ぼんやりきいろいランプのひかりのなか
並んだあずきいろのシートは
すりへってビロード剥がれおちていた。
緑灰色のすずしい眼。アニー! 黒革のスーツにぴったりしろい膚をつつみ薄い唇よく動いて口腔の大きな闇にダイアモンド一粒。
ゆびさきが昂奮してつめたく痺れていた
絶頂だったのよ。ルージュがあれほどくっきり滑らかに引けた夜はなかったわ
あたしはひこうきが怖いの。でも好きなの
離陸するまえが
ふっと地上をはなれてきけんなそらにはいり
ぐんぐん上昇していくときが。
もう水平飛行にはいってしまうとああここまできちゃったんだなあってうれしいようなほっとするようながっかりするようなきもち
ああここまで
もうここまで
もうひきかえせないところまで。
着陸のときはもういちどドキドキするけど
それも終わっちゃったらもうかなしくてしかたなくて行き先のことがあたまに浮かんできてそこであたしを待ち構えているさまざまな責任を考えて暗澹たる気分になるのよ大袈裟にいえばね。
それはおとこにはじめて抱かれる夜のように
ひこうきが降り立った海には
ずぶ濡れの仔猫が
あたしを待っていたのよ。
酷薄な眼をした若いスイス人プロデューサはわたしの国の皇太子殿下とおなじファーストネーム
あなたの名声をおざなりに誉めてから
復讐の唄を歌うあたしに拍手をくれたわ
びっくりするほど美しくて気まぐれであたしの好みにぴったりの男の子。
そしてあたしの部屋にある時計という時計が
いっせいに遅れはじめた。
とんでとんでもっととんでよ!
吝嗇家
カルヴィンの末裔
宣教師みたいなお説教しないでさ!
たった千齣なの?
あなたがあたしに与えてくれた出番は?
なにもかも言い訳。終わったあとのながいながい屁理屈。
すっかり元気になった牡猫を竹籠に閉じ込めて海岸沿いを走る汽車に乗り込んだの。片方にしか走らない単線。籠のなかで牡猫は黴菌みたいに単性繁殖してちいさなこどもをいっぱい生んだわ同じ毛をして同じ貌のまったくおなじ染色体の。そして生臭いミルクをどんどん出したわあたしの膝はすっかりびしょびしょに汚れて。
なめるような記憶
牝猫の楽観主義もてあまし
むこうの黒い森から若い鹿のこえ。きっと
むすこ夫婦の御幸。
細君の焼く黒い菓子は
すこし酸っばくなりかけた
猫性脂肪生クリームたっぷり挟んで
かすかにあまい乳糖のかおり
海鈴蘭のかすかなにおい
しろい崖下の小舎にはむかしながらのスタイル英国人夫妻が棲んでいて
黴くさい栄耀につつまれた老人と
年歯の離れた背の高い細君プラチナブロンドおとこみたいに刈り上げ幅広の肩を強調するチャコールグレイのペンシルストライプスーツに身を固め
毎朝仔猫の分泌する水臭いミルクをこっぷに一杯のみながら
わたしたち
ねこを飼っていても女王陛下に
お目にかかれるかしらね? と
真剣に案じながら日々を暮している
菩薩の美徳も才能もキャリアも子をおもう母ごころもみんな使い捨て商品。およめさんに不要品の札ぺたんと貼られようやく見つけたのが生まれてこのかた愛されたいおれは愛されたいのだと喚く以外に何もしたことのないぐうたら亭主
ほらまた
すきとおった天使のかけらが降ってくる
二匹の仔猫はあの荒れた海で拾ってきた。
がりがりに痩せて全身つめたい潮水でずぶ濡れになって黒毛に真っしろの斑がはいった牡のほうは息絶えだえだったけど
牝のほうは灰色虎毛すこし肥っていてまだしも元気があった
あのときからあなたあたしにあまえる口実またみつけたわね
ひきずりあげて懐で懸命にあたためたの。
のんきそうな牝猫しらぬふりであなたと遊んでいたわ
とどこおりなく
よどみなく
おもいにふけるひまもなく
その流儀がかっこよくて
それしかできなくなっていた。
92分間の16mmフィルム作品もう雨がざあざあ降っていて
ぼんやりきいろいランプのひかりのなか
並んだあずきいろのシートは
すりへってビロード剥がれおちていた。
緑灰色のすずしい眼。アニー! 黒革のスーツにぴったりしろい膚をつつみ薄い唇よく動いて口腔の大きな闇にダイアモンド一粒。
ゆびさきが昂奮してつめたく痺れていた
絶頂だったのよ。ルージュがあれほどくっきり滑らかに引けた夜はなかったわ
あたしはひこうきが怖いの。でも好きなの
離陸するまえが
ふっと地上をはなれてきけんなそらにはいり
ぐんぐん上昇していくときが。
もう水平飛行にはいってしまうとああここまできちゃったんだなあってうれしいようなほっとするようながっかりするようなきもち
ああここまで
もうここまで
もうひきかえせないところまで。
着陸のときはもういちどドキドキするけど
それも終わっちゃったらもうかなしくてしかたなくて行き先のことがあたまに浮かんできてそこであたしを待ち構えているさまざまな責任を考えて暗澹たる気分になるのよ大袈裟にいえばね。
それはおとこにはじめて抱かれる夜のように
ひこうきが降り立った海には
ずぶ濡れの仔猫が
あたしを待っていたのよ。
酷薄な眼をした若いスイス人プロデューサはわたしの国の皇太子殿下とおなじファーストネーム
あなたの名声をおざなりに誉めてから
復讐の唄を歌うあたしに拍手をくれたわ
びっくりするほど美しくて気まぐれであたしの好みにぴったりの男の子。
そしてあたしの部屋にある時計という時計が
いっせいに遅れはじめた。
とんでとんでもっととんでよ!
吝嗇家
カルヴィンの末裔
宣教師みたいなお説教しないでさ!
たった千齣なの?
あなたがあたしに与えてくれた出番は?
なにもかも言い訳。終わったあとのながいながい屁理屈。
すっかり元気になった牡猫を竹籠に閉じ込めて海岸沿いを走る汽車に乗り込んだの。片方にしか走らない単線。籠のなかで牡猫は黴菌みたいに単性繁殖してちいさなこどもをいっぱい生んだわ同じ毛をして同じ貌のまったくおなじ染色体の。そして生臭いミルクをどんどん出したわあたしの膝はすっかりびしょびしょに汚れて。
なめるような記憶
牝猫の楽観主義もてあまし
むこうの黒い森から若い鹿のこえ。きっと
むすこ夫婦の御幸。
細君の焼く黒い菓子は
すこし酸っばくなりかけた
猫性脂肪生クリームたっぷり挟んで
かすかにあまい乳糖のかおり
2019年6月30日日曜日
叱られて
叱られるたびに かしこくなる
利口になるごと きたなくなる
かってきままをとがめられ
それはわがままだとさとされて ききわけがよくなる
おとなしくなるほどに けがれる
花はらら・寛容であり情け深い。また妬むこ・.星つぶぷ・とをしない。高ぶらない誇らない・蝶ひららら・無作法をしない自分の利益を求め・樹みるるる・ない苛立たない恨みをいだ・月よろしげやら・かない。不義を喜ばず真理を喜・鳥ちぴぴぴぴ・ぶ。そしてすべてを忍びすべ・ひとさりゅる・てを信じすべてを望みすべて・たましひよしはかなく・を耐える。
ああいつぴぴぴ*わがままをゆるしてくれない*なりなほほ*のは*ふふふふ*かれがあたしをあいしてくれないせいだ*うぃうぃうぃみもみにみにもにものみれど*あいされたくて*れみそふぁみみふぁそれくんくん*いろんな術を身につけて*まみままままみま*ぼろをまとって
自分がみえなくなる
あいされたくて
またはだかになって
身をひくくひくくひくくかがめて
だんだん薄よごれてくる
あなたは許さない。妬む。高ぶる、誇る、
身勝手に振舞う、苛立つ、恨む。そして、
耐えることをしない。
らららたんか●かしこさのみを評価され●ひょおいいい●聞き分けのよさだけを誉められ●じじじかなしひひひね●あいされ術を利用されすりきれて●あははああるものかひいな●固有のひかりをうしなった身はそのうち●だなたかしのはまよほね●忘れ去られ見捨てられそんなにもみすぼらし嘘と埃にまみれたのは●さなかににんなぐさむむ●あんた自身のせい●てぃてぃてぃあーしたひの●だと馬鹿にされ
わたしは許さない。妬む。高ぶる、誇る、
身勝手に振舞う、苛立つ、恨む。そして、
何も信じない。
わわあああんかな※社会的訓練ができていない※ふんふんふじじ※ヒステリー性向。いつまでも子供でいられるわけはない※たまくらばかりなりともさ※それじゃ損だよ。もっとかしこくひとより得な人生をえらびなさい※たかひももしてやりせぬ※ぼんやりしてると損だまってすいすいひとをだしぬけば得※ほほほんいひひ※いつも損ばかりしてるからといってすこしはひとから奪ってもゆるされる※うわわあんでもなんでもや※甘えの構造※りんりいんもして※得した奴はすこしばかり気がとがめてそれでも自分の獲物を手放す気は※だんすだんすうすんでききき※さらさらなく※ぱぱぴぴ※すべてが経済原則で量られるとても自由な※とんでとんでりりりりれれれ※資本主義社会。じぶんをとてもたかくみつもって※ながめながながとみつくるもに※経済原則を許容できない人間は
リフレイン◎プリンスチャーミングデヴィ
あなたがいるからあたしは◎みかよみかづきクレセント◎きたない男たちの呼ぶ声に耳をうばわれることなく平安にすごしていられるの◎いざよひデクレセントあれーぐろあれーぐろ◎あのだらしない気のよわい卑屈な小狡い輩たちはあなたの輝かしさに手も足も出ずあたしに近付いてはいけないのだと分かるのだ◎のんノントロッポやさしくやあーさしくエーデューア◎歯がみして口惜しんで妬んで悔やんで己が身の救いがたく卑小なることを思い知るのだわ
おおとおとおとリフレイン◎プリンスチャーミングがやってくるから◎さまさまららりりちちちち◎今日の月にも明日の天気にも季節の風にも◎らりらあらららりりり◎草花にもましてや馬鹿な人間たちの所行にもすこしも心をやらず◎はるはるははあはりんどふぃももも◎肢をながなが伸ばして◎よろしあなよろしてにんじゃくどぅもああ◎あたしは口をつむぎ耳をふたぎ眼を瞑る◎をををうおうお◎ほんとうの神さまはこのとおり公平で◎ぴぴんだぴいあにぴあに◎このように無条件にこんなにもふんだんに◎ぱぱぱぷぷぷぷぷぴぴぴあにしも◎あたしを愛してくれる経済原則を無視して◎フェルマータ◎勿論あなたの得になるように◎つるんるるんるんりーだ◎叱られてもしかられてもきれいでいられるようにおとなにならないように◎コーダコー◎かしこくならないように。
利口になるごと きたなくなる
かってきままをとがめられ
それはわがままだとさとされて ききわけがよくなる
おとなしくなるほどに けがれる
花はらら・寛容であり情け深い。また妬むこ・.星つぶぷ・とをしない。高ぶらない誇らない・蝶ひららら・無作法をしない自分の利益を求め・樹みるるる・ない苛立たない恨みをいだ・月よろしげやら・かない。不義を喜ばず真理を喜・鳥ちぴぴぴぴ・ぶ。そしてすべてを忍びすべ・ひとさりゅる・てを信じすべてを望みすべて・たましひよしはかなく・を耐える。
ああいつぴぴぴ*わがままをゆるしてくれない*なりなほほ*のは*ふふふふ*かれがあたしをあいしてくれないせいだ*うぃうぃうぃみもみにみにもにものみれど*あいされたくて*れみそふぁみみふぁそれくんくん*いろんな術を身につけて*まみままままみま*ぼろをまとって
自分がみえなくなる
あいされたくて
またはだかになって
身をひくくひくくひくくかがめて
だんだん薄よごれてくる
あなたは許さない。妬む。高ぶる、誇る、
身勝手に振舞う、苛立つ、恨む。そして、
耐えることをしない。
らららたんか●かしこさのみを評価され●ひょおいいい●聞き分けのよさだけを誉められ●じじじかなしひひひね●あいされ術を利用されすりきれて●あははああるものかひいな●固有のひかりをうしなった身はそのうち●だなたかしのはまよほね●忘れ去られ見捨てられそんなにもみすぼらし嘘と埃にまみれたのは●さなかににんなぐさむむ●あんた自身のせい●てぃてぃてぃあーしたひの●だと馬鹿にされ
わたしは許さない。妬む。高ぶる、誇る、
身勝手に振舞う、苛立つ、恨む。そして、
何も信じない。
わわあああんかな※社会的訓練ができていない※ふんふんふじじ※ヒステリー性向。いつまでも子供でいられるわけはない※たまくらばかりなりともさ※それじゃ損だよ。もっとかしこくひとより得な人生をえらびなさい※たかひももしてやりせぬ※ぼんやりしてると損だまってすいすいひとをだしぬけば得※ほほほんいひひ※いつも損ばかりしてるからといってすこしはひとから奪ってもゆるされる※うわわあんでもなんでもや※甘えの構造※りんりいんもして※得した奴はすこしばかり気がとがめてそれでも自分の獲物を手放す気は※だんすだんすうすんでききき※さらさらなく※ぱぱぴぴ※すべてが経済原則で量られるとても自由な※とんでとんでりりりりれれれ※資本主義社会。じぶんをとてもたかくみつもって※ながめながながとみつくるもに※経済原則を許容できない人間は
リフレイン◎プリンスチャーミングデヴィ
あなたがいるからあたしは◎みかよみかづきクレセント◎きたない男たちの呼ぶ声に耳をうばわれることなく平安にすごしていられるの◎いざよひデクレセントあれーぐろあれーぐろ◎あのだらしない気のよわい卑屈な小狡い輩たちはあなたの輝かしさに手も足も出ずあたしに近付いてはいけないのだと分かるのだ◎のんノントロッポやさしくやあーさしくエーデューア◎歯がみして口惜しんで妬んで悔やんで己が身の救いがたく卑小なることを思い知るのだわ
おおとおとおとリフレイン◎プリンスチャーミングがやってくるから◎さまさまららりりちちちち◎今日の月にも明日の天気にも季節の風にも◎らりらあらららりりり◎草花にもましてや馬鹿な人間たちの所行にもすこしも心をやらず◎はるはるははあはりんどふぃももも◎肢をながなが伸ばして◎よろしあなよろしてにんじゃくどぅもああ◎あたしは口をつむぎ耳をふたぎ眼を瞑る◎をををうおうお◎ほんとうの神さまはこのとおり公平で◎ぴぴんだぴいあにぴあに◎このように無条件にこんなにもふんだんに◎ぱぱぱぷぷぷぷぷぴぴぴあにしも◎あたしを愛してくれる経済原則を無視して◎フェルマータ◎勿論あなたの得になるように◎つるんるるんるんりーだ◎叱られてもしかられてもきれいでいられるようにおとなにならないように◎コーダコー◎かしこくならないように。
2019年6月29日土曜日
感覚憶
死ねと云いおめおめと生きよと言い
記憶が私をくるしめる
地下鉄の中でなぜふいにしびれて冷たく戦くのかマッチのあたまのように瞬時明晰に燃えてあなたのくたびれかけた皮膚の下にゆたかな水脈を聴いた指先
ひとりの夜の枕になぜありありとよみがえるのか脳幹までふかぶかと吸い込んだあなたのゆっくりとした代謝の匂い
こんなにもなまなましいのに
それがあたしに生きることを許してくれていたのだからそれがもはや記憶というかたちでしか与えられない以上
ちかづくことをゆるしてくれたつつまれて思いきり呼吸することさえ許してくれた夏の汗の匂いとか微香性のコロンとか特殊な腺の匂いとかそのどれでもないほかでもないあなただけに固有の甘い酸っぱいあたしを酔わせる発酵性の匂いそれが届く範囲にひとがちかづくことさえ嫉妬した
においをうけとるのにちょうどいい距離があったいつもゆるされるその間隔がすきだった
あたしはあなたの眼なんか見ちゃあいないの生きていてもいいですか? あたしの指があなたの胸のちかくの血管にくりかえしくりかえし問いただすとあなたの指先はだまって教えてくれたいいよとてもいいよ生きていてもいいんだよ幾度もいくども応えてくれた
だからあなたの忘れっぽさ無関心の沈黙は
あたしを文字どおり黙殺する
とても敏感な指先が知ってしまった
記憶力のよい脳幹近くの粘膜がきまぐれに再現する感覚憶が
あなたの不在をいやおうなくさせるいま
死ねと言いおめおめと
生きよと云い
記憶が私をくるしめる
地下鉄の中でなぜふいにしびれて冷たく戦くのかマッチのあたまのように瞬時明晰に燃えてあなたのくたびれかけた皮膚の下にゆたかな水脈を聴いた指先
ひとりの夜の枕になぜありありとよみがえるのか脳幹までふかぶかと吸い込んだあなたのゆっくりとした代謝の匂い
こんなにもなまなましいのに
それがあたしに生きることを許してくれていたのだからそれがもはや記憶というかたちでしか与えられない以上
ちかづくことをゆるしてくれたつつまれて思いきり呼吸することさえ許してくれた夏の汗の匂いとか微香性のコロンとか特殊な腺の匂いとかそのどれでもないほかでもないあなただけに固有の甘い酸っぱいあたしを酔わせる発酵性の匂いそれが届く範囲にひとがちかづくことさえ嫉妬した
においをうけとるのにちょうどいい距離があったいつもゆるされるその間隔がすきだった
あたしはあなたの眼なんか見ちゃあいないの生きていてもいいですか? あたしの指があなたの胸のちかくの血管にくりかえしくりかえし問いただすとあなたの指先はだまって教えてくれたいいよとてもいいよ生きていてもいいんだよ幾度もいくども応えてくれた
だからあなたの忘れっぽさ無関心の沈黙は
あたしを文字どおり黙殺する
とても敏感な指先が知ってしまった
記憶力のよい脳幹近くの粘膜がきまぐれに再現する感覚憶が
あなたの不在をいやおうなくさせるいま
死ねと言いおめおめと
生きよと云い
2019年6月28日金曜日
迷走台風
雷鳴。
稲妻。
ざんざか降り。
特権的にも局所的なる嵐。
あられもなくふれもなくさたもなく
そこにある季節をむだなく洗い押し流す。
繊いほそい繊いとても細い線をつたって
怒りは忍び込み
平安穏健厚顔無恥なリノリウムに滲み達して、
すべてのデータを破壊しすべてのアクセスを断絶しすべてのシステムを混乱せしむ。
終わったよくもおわった!
エンドマークー100万個ぶつけてそんな
平和の終焉をよろこぶ
だったらよかったのに。
どおっと吹き飛んでいく。ばらばらと紙屑が
鉛の屑が腐蝕した珠が無限個ころろ地球の
表面にゆるやかに仕掛けられた傾斜を
つたって
よく電話は通じたものだ。ああこれは凄いよこんな状況で凄いことだよふらふら迷走した
たましいの渦は
恋いしがって離れてなつかしんであきらめて
思い切れずに喚きやっぱり離れてはなれて
離れていく遠ざかっていく
そんなにも可愛いちいさい女の子は
沖縄を今夜半直撃するも
小笠原諸島はすでに暴風雨圏なるも
本土をかすめず
日本国は微動だにせず
そこも領土だったの? ちりぢりに揺れてやぶれて弾けて飛び去ってしまった哀れな
いきものの欲望は?
みえない向こうの闇から聴こえてくる
ひどく単調な
歯ぎしりつーつーつーつーつーつーつーつーなんの意味も感情もなく絶望だけをつたえてつーつーつーつーつーつーつーつーつーつーそれでもつづいているだけでよかったのに
いつ途切れるいつきこえなくなるいつ消滅する耳をすますほどにほそくちいさくよわっておとろえて抑えきれず呼ばわるほどにとおざかる離れてしまう去っていくいってしまう
ついについにつーつーついに途絶える。
終わったよくもおわった!
朝無惨な灰青色の空に鰯雲ひとつふたつ
みっつエンドマーク100万個かぞえて
そんな季節の終焉をよろこぶ
しかし怒りはついになく
恥さらしなリノリウムはのっぺらぽうのままだらしなく
ああ。
稲妻。
ざんざか降り。
特権的にも局所的なる嵐。
あられもなくふれもなくさたもなく
そこにある季節をむだなく洗い押し流す。
繊いほそい繊いとても細い線をつたって
怒りは忍び込み
平安穏健厚顔無恥なリノリウムに滲み達して、
すべてのデータを破壊しすべてのアクセスを断絶しすべてのシステムを混乱せしむ。
終わったよくもおわった!
エンドマークー100万個ぶつけてそんな
平和の終焉をよろこぶ
だったらよかったのに。
どおっと吹き飛んでいく。ばらばらと紙屑が
鉛の屑が腐蝕した珠が無限個ころろ地球の
表面にゆるやかに仕掛けられた傾斜を
つたって
よく電話は通じたものだ。ああこれは凄いよこんな状況で凄いことだよふらふら迷走した
たましいの渦は
恋いしがって離れてなつかしんであきらめて
思い切れずに喚きやっぱり離れてはなれて
離れていく遠ざかっていく
そんなにも可愛いちいさい女の子は
沖縄を今夜半直撃するも
小笠原諸島はすでに暴風雨圏なるも
本土をかすめず
日本国は微動だにせず
そこも領土だったの? ちりぢりに揺れてやぶれて弾けて飛び去ってしまった哀れな
いきものの欲望は?
みえない向こうの闇から聴こえてくる
ひどく単調な
歯ぎしりつーつーつーつーつーつーつーつーなんの意味も感情もなく絶望だけをつたえてつーつーつーつーつーつーつーつーつーつーそれでもつづいているだけでよかったのに
いつ途切れるいつきこえなくなるいつ消滅する耳をすますほどにほそくちいさくよわっておとろえて抑えきれず呼ばわるほどにとおざかる離れてしまう去っていくいってしまう
ついについにつーつーついに途絶える。
終わったよくもおわった!
朝無惨な灰青色の空に鰯雲ひとつふたつ
みっつエンドマーク100万個かぞえて
そんな季節の終焉をよろこぶ
しかし怒りはついになく
恥さらしなリノリウムはのっぺらぽうのままだらしなく
ああ。
2019年6月26日水曜日
さくらん
とてもみじかい夜の
あざとい音楽におびえて
ねんいりにけはいする。
あまりあまりあまりのへだたりを
なんてうたとい!
くちびるはことばによごれてつかれたださくらんぼさくらんぼさくらんぼやまほどくわえあわれなるだえきの匂いふくみねんまくのまずしきかいかんあそび制度にたよりなげなおとこの想像力せんぞがえりのおんなの悪趣味うそからうそへわたす吸引逃れるためのうそうそうそうそうそうそ。
もどかしげにきれ剥ぎとってもさらにぶあつい包皮の擦れ合う ぎしぎし たいえきはこうりゅうなくたいおんはでんどうせずとてつもなくよわよわしげにとりつかれるあいされたいあいしたいあいされないあいされたいあいせないあいしたいあいせないあいされたいあいされないあいしたいあいせないあいされないさえないゆめの とんま。
あかくあかいよるあおみどりの間さくらんぼの二重たいじはでかいあたまくっつけてくすくすわらいをつたえあい六月にとてもいきぐるしくゆあみしてこれがしあわせこれもふしあわせあれはしあわせあれがふしあわせ脆弱なろんしの あつれき むのうなゆびゆびゆびつきあわせてさとりたまえさとらせたまえ冷めたしんこうの まのわるさ。
わかっちゃいるけどとめられないよほどよほどの噴出ざあっとねさくらんぼの堅いかわにぎりぎりくらいついてだめ。はをたてるのは違法。 だめ。ちをながすのは反則。 だめ。あじわうのは禁忌。音楽! ああ死ぬほど死ぬまでおまえはかわいいねなにがあってもなにがなくてもおまえのすばらしさ! はなさない。
あざとい音楽におびえて
ねんいりにけはいする。
あまりあまりあまりのへだたりを
なんてうたとい!
くちびるはことばによごれてつかれたださくらんぼさくらんぼさくらんぼやまほどくわえあわれなるだえきの匂いふくみねんまくのまずしきかいかんあそび制度にたよりなげなおとこの想像力せんぞがえりのおんなの悪趣味うそからうそへわたす吸引逃れるためのうそうそうそうそうそうそ。
もどかしげにきれ剥ぎとってもさらにぶあつい包皮の擦れ合う ぎしぎし たいえきはこうりゅうなくたいおんはでんどうせずとてつもなくよわよわしげにとりつかれるあいされたいあいしたいあいされないあいされたいあいせないあいしたいあいせないあいされたいあいされないあいしたいあいせないあいされないさえないゆめの とんま。
あかくあかいよるあおみどりの間さくらんぼの二重たいじはでかいあたまくっつけてくすくすわらいをつたえあい六月にとてもいきぐるしくゆあみしてこれがしあわせこれもふしあわせあれはしあわせあれがふしあわせ脆弱なろんしの あつれき むのうなゆびゆびゆびつきあわせてさとりたまえさとらせたまえ冷めたしんこうの まのわるさ。
わかっちゃいるけどとめられないよほどよほどの噴出ざあっとねさくらんぼの堅いかわにぎりぎりくらいついてだめ。はをたてるのは違法。 だめ。ちをながすのは反則。 だめ。あじわうのは禁忌。音楽! ああ死ぬほど死ぬまでおまえはかわいいねなにがあってもなにがなくてもおまえのすばらしさ! はなさない。
2019年6月23日日曜日
ボール箱に砂場
あー
あー あらあら し
あらあら すね保母のD.C.もん
手が粗雑な ぶちまけし
惑
あー
ほないくで
あなたのハコをください。砂をいれて
にいたしましょう。
さら
さ
置く
どんなに重い 口ほどに
ほどなくなが
ながれ ぬ
つまらせ
つまり
あなたのハコが欲しいのです。水平に
垂直に切込みをいれて
大小の四角をくみあわせて
をつくります。
どれだけ
あそべ
れだけ
たわむ
だけくりかえ
光
粒
よりわ
悩みのない
かたすみの
天
もういっぽうの かたす
のもうひとつ ふた
の先に埋めようのない
距離がどうして
それは
収
縮
がれるのか
でも わ
たしかにきこえる
あなたにも
きこえ
でしょうか
かたすみのしずく
もう一粒
つの一粒
あー あらあら し
あらあら すね保母のD.C.もん
手が粗雑な ぶちまけし
惑
あー
ほないくで
あなたのハコをください。砂をいれて
にいたしましょう。
さら
さ
置く
どんなに重い 口ほどに
ほどなくなが
ながれ ぬ
つまらせ
つまり
あなたのハコが欲しいのです。水平に
垂直に切込みをいれて
大小の四角をくみあわせて
をつくります。
どれだけ
あそべ
れだけ
たわむ
だけくりかえ
光
粒
よりわ
悩みのない
かたすみの
天
もういっぽうの かたす
のもうひとつ ふた
の先に埋めようのない
距離がどうして
それは
収
縮
がれるのか
でも わ
たしかにきこえる
あなたにも
きこえ
でしょうか
かたすみのしずく
もう一粒
つの一粒
2019年6月22日土曜日
ボール箱に砂場(というラベル)
『ボール箱に砂場』というのは七木まや名義で出版したわたしの唯一の活字化された作品集です。1冊だけ手元に残したそれをいま読み返すと、詩作を自己セラピーに利用した経緯があからさま過ぎて赤面します。
中学高校時代からそれなりに好きだった詩作の趣味ですが、20代後半のある時期、今から思えば「軽い鬱」だったんでしょうけど、あることをきっかけに精神的ピンチに襲われて、それを救ってくれたのが詩作だったわけです。そのとき、パソコンに向かって、一心に文字を綴り、文字を綴ることが、自分を癒すことになったその情景を、あたかも客観的に映像でも見るように想起することができます。
初めての詩集を出版するにあたり、時期尚早というアドバイスを信頼している人からいただきました。本当の(だっけか?)詩人を目指すなら安易に詩集というかたちで出版物を残すものではない。しばらくは辛抱して書き続けるべきだ。・・みたいなことを言われたと記憶しています。でも、わたしは、結局自費出版というかたちで本にしちゃった。それは、やっぱり、それがそのときのわたしにとって必要だったから、としか言いようがありません。
いちばんピンチのピークで書いた最初の詩を覚えています。そのときの天候と、そのときのパソコンも。そして、最後に、ああ抜けたなぁ・・と思い、安堵して書いた詩のことも。 そのホッとして書いた詩が、いま読み返すと緩すぎて(笑)。ようこんなもん活字にしたなぁと、いまでは恥がましく笑って振り返ることができるのですが・・・。
で、ほんまに、その「通り抜けた」あとで書いた詩のあと、わたしはピタッと書くのをやめてしまいました。 いわばプロの「詩人」となることをそこで放棄してしまったのかもしれません。表現として読者に見せることのできる詩よりも、自分自身を癒すためのものを選択してしまったわけだから。
・・なんて、恥をさらしてしまいましたが、でもまだ、表現として救えるものもあるのではないかと、『ボール箱に砂場』に収めた詩と、気分的にそれにつながるかなと思われるものに、このラベルをつけてアーカイブしていきたいとおもいます。
キナコの夢として書いた「童児神」のモチーフがそこにもあるので、「地母神」が最初のエントリーになりました。当時この詩を読んでくださった方が、宝塚の(もっと具体的には大地真央の)舞台を唄ったものと解釈してくださったのには、書いた本人がびっくりしました。わたしは特に宝塚のファンでも大地真央さんのファンでもないのです。偶然そのイメージが一致したんですね。
中学高校時代からそれなりに好きだった詩作の趣味ですが、20代後半のある時期、今から思えば「軽い鬱」だったんでしょうけど、あることをきっかけに精神的ピンチに襲われて、それを救ってくれたのが詩作だったわけです。そのとき、パソコンに向かって、一心に文字を綴り、文字を綴ることが、自分を癒すことになったその情景を、あたかも客観的に映像でも見るように想起することができます。
初めての詩集を出版するにあたり、時期尚早というアドバイスを信頼している人からいただきました。本当の(だっけか?)詩人を目指すなら安易に詩集というかたちで出版物を残すものではない。しばらくは辛抱して書き続けるべきだ。・・みたいなことを言われたと記憶しています。でも、わたしは、結局自費出版というかたちで本にしちゃった。それは、やっぱり、それがそのときのわたしにとって必要だったから、としか言いようがありません。
いちばんピンチのピークで書いた最初の詩を覚えています。そのときの天候と、そのときのパソコンも。そして、最後に、ああ抜けたなぁ・・と思い、安堵して書いた詩のことも。 そのホッとして書いた詩が、いま読み返すと緩すぎて(笑)。ようこんなもん活字にしたなぁと、いまでは恥がましく笑って振り返ることができるのですが・・・。
で、ほんまに、その「通り抜けた」あとで書いた詩のあと、わたしはピタッと書くのをやめてしまいました。 いわばプロの「詩人」となることをそこで放棄してしまったのかもしれません。表現として読者に見せることのできる詩よりも、自分自身を癒すためのものを選択してしまったわけだから。
・・なんて、恥をさらしてしまいましたが、でもまだ、表現として救えるものもあるのではないかと、『ボール箱に砂場』に収めた詩と、気分的にそれにつながるかなと思われるものに、このラベルをつけてアーカイブしていきたいとおもいます。
キナコの夢として書いた「童児神」のモチーフがそこにもあるので、「地母神」が最初のエントリーになりました。当時この詩を読んでくださった方が、宝塚の(もっと具体的には大地真央の)舞台を唄ったものと解釈してくださったのには、書いた本人がびっくりしました。わたしは特に宝塚のファンでも大地真央さんのファンでもないのです。偶然そのイメージが一致したんですね。
2019年6月21日金曜日
地母神
MAOはスタアだから、あなたがいないとレヴューははじまらない。
最初の神話
ほかのおおぜいの神がみを従えてあなたが座るのは舞台のまん中のヴィーナスのそこで生まれたあたたかい海の泡。とてもしあわせそうにさざめく宝石たちがやさしく護る女神のきらめき栄えある台座。
夢は夢でもとびっきりの夢MAOの左手がゆらぐと至上のおんがく神を讃えるはなやかな詩篇。右手にはあくまでかるくあくまでゆったりと妖精たちの舞。共感してざわめく海。あかるく微笑む空。みんなが貴い午後になによりもあなたあなたなのはMAO。
MAOが語るのはこの世にただひとつしかないだれもが記憶にとどめているだからいちばん陳腐ないちばん聖なる物語。とても単純でエレガントな論理。完璧な序破急。まことなる寓意。MAOがあたえてくれるエクスタシーのいまのいまいまがあれば滅びのときなど怖くない。いちどかぎりの至福の時代。これっきりの真実。すみずみまでいっぱいにひろがる上等の快感。
だからわたしはだれであってもだれでなくても赦されているの。のぞみをさまたげるものはなにひとつなくながれをとどめる批判なくこのうえなきグランフィナーレ。
そして暗転
名残りも惜しくしずかにやすらかにMAOが去ればフェスティバルはおしまい。夢からさめると地の中より這いでくる女たちは一粒ひとつぶ匿名の現実主義者。まずしきはたらき蟻。武器を手にてに敵を抹殺せんとして。
夢みたものはみんな罪。MAOを知っているのはおぼえているのは悪。ただの夢だとわかっていても容赦なき時代の裁きのまえに。
わかっでいるのよわかっていたのよはじめっから。しんじてなんかいないからそれが嘘だとわかっていたからわたしはもはやMAOにはみすてられ。それでも幻想を享楽した以上は執念深く嫉妬ぶかい女たちがわたしを許すはずなく。わたしは名札を貼りつけられ追われて逃げてそれでもみっともなく生きたくて臆面もなく臆病にもごめんなさいごめんなさい傷ついた自分を哀れにおもうMAOへの裏切り。うらみながら侮りながら闘おうとしない卑屈。
ふたたび顕現
海が割れると。
厳かに尊くも畏くも神がみの列は紫の雲のあいだよりしずしずと御降臨。そんなあほな! あまりの展開に失笑するひまもなく現実主義者たちは猛り狂った浪に呑まれ口ぐちに呪いの言葉を吐きながら滅び去る。彼女らの語る正義は怒りにふるえながらああ道理無き末世よ、頽廃の幻がなぜ私たちを殺すの! こんな馬鹿なことって! あんたたちなんか何の実もない幽霊なのに! 世に害悪をまき散らす悪魔なのに。ただしいのは現実なのに!
現実が夢を滅ぼすべきなのに。
そのとおりですともあんたらはつねにただしい。わたしだってあの楽劇は虚構だとわかっていてそのつもりでたのしんでいたはずなのに。いまめのまえでおこっているできごとはいったいなんなのMAOのみえない影に怯えながら。いつのまにみについた自己防衛なぜだか生き残っている自分の肩を抱きながら。
神さまのとおりみちをさけて身を隠す石柱の陰。まぢかにみる女神たちはこうべを昂然と無表情にゆるく緩いあしどりで。ながく永い儀式の行列の最後尾にはまるまると肥った童児神。あやういはやあしでおとなたちのあとを懸命に追いかけて。やりすごしてそっとついていったの。舞台のはなみちのいちばん端からおとなしい海へひとりひとりまた空へかえっていく神がみの最後の童児神の姿がいまにも消えんとして。いかないで!
走っていってつかまえようとしたの。わたしにただひとつのこされたねがい。
カタストロフ
そのわたしのゆぴをかいくぐってすうっと消滅すべきだったのよ。だってかれはわたしのゆめなのだから。幻想の中の神さまなのだから。わかっていたはずなのだからそれでじゅうぶんだったのだから。
しかしてのひらはかれのしろいやわらかいししむらをとらえて。いきもののあたたかささえかんじたの四肢を愛らしくばたばたさせてMAOの幼児なるさいごのぎせいの童児神。うたぐりぶかいとまどいをとがめるすべすべながれるはだふわふわはずむにく。
でもかれを捉えてどうしようというのか?
虫の良いわたしをMAOはもはやゆるすまい。それがおまえの罰ハッピーエンドのないぶざまなおしばいMAOのいない海辺の廃墟生き易い地獄。石鹸臭いテレヴィ女優に身を堕としMAOは今日もわたしをまっすぐみつめ恐ろしい笑顔をうかべて。わたしわたしはわたしこそMAOのうつくしい赤子になりたかったのに。
2019年6月9日日曜日
ボール箱の隅に白墨で書いたサヨナラが
君の手に届くまでの長い長い猶予期間を
ボール箱の隅に白墨で書いたサヨナラが君の手に届けられるまでの長い長い猶予期間を
発送済ボール箱のなかにかくれ棲んで砂場つくって遊びながら
カナリア獲る猫の手肢を隠匿するためのサインを偽造しながら
君に聞こえぬように何度もつぶやく je ne vous aime pas をねんいりに蔽い隠しながら
せっかち配達人にああもっと遅くもっと遅れてよと囁きながら
め立つようにと大きく太く斜めに書きつけておいた白墨の字が
もしかしてなにかの拍子にすれてこすれて消えてしまってくれないものかと希いながら
君のことをまるで知らないのにだって好きなんだもんとはいい気なもんだ!鉢植えする
ひ弱なひこばえにさらさらの砂をまぶし水気を与えて塊をいくつもこねこね団子にして
かこった砦にモビルスーツの人形と家を配しクリスマスローズをあしらいツリーをたて
1年と1ヵ月ぶりにめでたく恋唄パート2の残滓かきまぜながら
あのときよりもっと大量の薬をからだに容れる羽目になりひきかえにぽろぽろ欠落する
穴・孔・洞・瘢痕・腫脹のたぐいはあのときよりさらにでかく無数にぼこぼこに空いて
その袖にすら未だふれることかなわぬ君の繊い腕ならすっとくぐりぬけてしまいそうな
おめず臆しておびえるうちにかえってかぜに剥がされつくして無くなってしまいそうな
おもいおもい物質的条件を呪いながら避けたくて避けられぬさかづきにおののきながら
箱にはいってから君へのサプライズこしらえるドロナワに自分であきれてわらいながら
砂場に造った庭をどのように説明すれば喜んでもらえるのやら
口の中で繰り返し繰り返し君へのささやかなプレゼンテーションのリハーサルしながら
なけなしのながらながらがなくなればみじかい猶予もおしまいになるのをおそれながら
証拠物件の死体のありかの輪郭ふちどるように白いチョークで
かならず書きつけておかねば許されぬサヨナラの文字をわざと荒っぽく書きつけながら
そこがただしいアドレスかどうかも知らず君の居場所を宛先に
わたしわたしわたしのぜんぶを時計とともにとじこめて封印し
けっきょく言えることといったらこれでぜんぶ「これでぜんぶ」がぜんぶと知りながら
そのあとはせめて配送路を運ばれるあいだじゅう熱心にわらっていようとつとめている
だから
本当に届くか届かないのか覚束ないけどきっと迂回しながらも
サヨナラの痕跡がいよいよ君の目に届いたときには思い出してほしい。一瞬でいいから
ぼくの名前を こんな署名が あったことを
そのあとはこのこっけいなそまつなひつぎは笑いとばしてご面倒でもすぐに折り畳んで
焼却炉になげこんであとかたなく焼尽してくれていいのだから
発送済ボール箱のなかにかくれ棲んで砂場つくって遊びながら
カナリア獲る猫の手肢を隠匿するためのサインを偽造しながら
君に聞こえぬように何度もつぶやく je ne vous aime pas をねんいりに蔽い隠しながら
せっかち配達人にああもっと遅くもっと遅れてよと囁きながら
め立つようにと大きく太く斜めに書きつけておいた白墨の字が
もしかしてなにかの拍子にすれてこすれて消えてしまってくれないものかと希いながら
君のことをまるで知らないのにだって好きなんだもんとはいい気なもんだ!鉢植えする
ひ弱なひこばえにさらさらの砂をまぶし水気を与えて塊をいくつもこねこね団子にして
かこった砦にモビルスーツの人形と家を配しクリスマスローズをあしらいツリーをたて
1年と1ヵ月ぶりにめでたく恋唄パート2の残滓かきまぜながら
あのときよりもっと大量の薬をからだに容れる羽目になりひきかえにぽろぽろ欠落する
穴・孔・洞・瘢痕・腫脹のたぐいはあのときよりさらにでかく無数にぼこぼこに空いて
その袖にすら未だふれることかなわぬ君の繊い腕ならすっとくぐりぬけてしまいそうな
おめず臆しておびえるうちにかえってかぜに剥がされつくして無くなってしまいそうな
おもいおもい物質的条件を呪いながら避けたくて避けられぬさかづきにおののきながら
箱にはいってから君へのサプライズこしらえるドロナワに自分であきれてわらいながら
砂場に造った庭をどのように説明すれば喜んでもらえるのやら
口の中で繰り返し繰り返し君へのささやかなプレゼンテーションのリハーサルしながら
なけなしのながらながらがなくなればみじかい猶予もおしまいになるのをおそれながら
証拠物件の死体のありかの輪郭ふちどるように白いチョークで
かならず書きつけておかねば許されぬサヨナラの文字をわざと荒っぽく書きつけながら
そこがただしいアドレスかどうかも知らず君の居場所を宛先に
わたしわたしわたしのぜんぶを時計とともにとじこめて封印し
けっきょく言えることといったらこれでぜんぶ「これでぜんぶ」がぜんぶと知りながら
そのあとはせめて配送路を運ばれるあいだじゅう熱心にわらっていようとつとめている
だから
本当に届くか届かないのか覚束ないけどきっと迂回しながらも
サヨナラの痕跡がいよいよ君の目に届いたときには思い出してほしい。一瞬でいいから
ぼくの名前を こんな署名が あったことを
そのあとはこのこっけいなそまつなひつぎは笑いとばしてご面倒でもすぐに折り畳んで
焼却炉になげこんであとかたなく焼尽してくれていいのだから
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