色には黒と白と赤しかない。
大気は完全に乾燥してO2濃度が非常に高い。
砂漠の先の
ヒトサシ指の先は
もっとも敏感であるから 燃えないように
根元をコヨリで縛りつけておく。
塩の結晶一粒
ユビサキにただしく置いて
実験は繰り返される。
「瓜たべたいか?」
「茄子くいたいか?」
「それともにくか?」
「だれのにくか?」
塩たぎらせ
死海の先に
答はいつも蒸発する。
たったひとかけらのおまえの肉は
msec.単位で塩
消費する。
次の塩を
かたすみの光の先に
血の塩を
「放棄せよ/しない」
「痙攣せよ/しない」
脈拍は同期しない。
「遊離せよ/したい」
皮膚をいくら観察しても
感触は既にすりかえられて
とりかえしのつかないそれでも
実験は繰り返される。
降らぬ雨の先に
かたりやまいのただれた舌先に
なめるのでなく
いやすのでなく
私はおまえの
だれよりも高い地の先に
そのユビサキを
かみちぎりたいだけだ。
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