2019年11月22日金曜日

トラブルトラヴェル

いつもすでに出発している此処をはなれて目的地はさだかではなく路上にあり迂回し迂路うろしながら通過列車やりすごシナハンおはなしをかたりはじめるには場所を横断しなければならない行かなければならない きつく締めてそこに県境のひろい河がありわたしたちは横切らなければならない よく似たコースを辿っても経験上浅瀬をしっている案内人がいていつものルートではない そのつどあたらしくルーチンワークのように退屈な渡りの儀式 一級河川たて札のむこう岸よその県には県の名を付したぴかぴかの建物がありナントカミュージアムとなづけられて建設中事業主体どこどこ責任者だれそれなに県ぺこ市ぽこ町岐阜蝶カップ事業費数億円開館予定2001年春小春日和見お菓子の看板アイドルが微笑みよく似た計画はあっても其たてものはふるくから其処にある旧聖なんたら会不可能なミッション病院にもとづくものであるからこそユニックなのだと元型がなければ詰まらない時代なのだと謂い だからかんぜんには壊さないむてきの煉瓦の剥がれ落ちる頑強な密閉度の高い風のとおりぬける 霊のはしりぬける魂の滞留する脱け道の分岐する無数の水路が浸みこんでいくその屋に今夜の宿を据えてあとさきは考えぬ たまたま夕食をともにしてどこから来たのかとスタッフに尋ねると吉田とな吉田でわかんない?そんな地名が南紀にあったのかきっとあったのだろうなんせ熊野だもん海のそばだか山の奥だかわかりゃしない下僕を寄越して電報を打たせる気が利かない電話がつうじないからこそ情報記録ぽんぽこりん装置送信そうしているのにチップもないくせにエラソーに水泳ぱんついっちょでどうして小銭が所有できよう一寸貸してよ厭よたとえ1セントだっていやだわいいじゃないかダーリンafter allたった50セントのことだろスマイルが呼んでんよ 待ってんよ出発してんだからたどりつかないといかんのさっして頂戴この旅を やめるわけにはいかないのぞくわけにはいかないかたりはじめる以前に帰途についてはならぬ沙汰やみにどこへかわからぬやみのよむにた闇の読むに似た病みのやまいや舞いしかど あらゆるコードが連関をもって意味のファントム肉体を構成してしまう段階を経ていちど試験管撹拌し混乱イニング裏からふたたび整列しわたしとまったくおなじ遺伝子をもつクローンが(此処にいる)わたしより少し遅れて彼の地で成長していることを知り対手にはひそかにしておもむくことにする ものかげよりガラスごしにうかがえば疾っくに細胞ではないかのじょは英語をあやつり(そりゃそーだ)わたしよりいくらか年下で(それもそーだ)なにかをコーディネートしがちなおふぃすをけんめいにやっているらしい苦手なのにな渉外障碍ひとづきあいは遺伝子に記載されていないのか いやかのじょもほんらいみにあわぬことをけんめいにやっているのだよ賢明にもよなよなよなよ仕事それが目的ではない わたしとかのじょのほかにもうひとり いるはずなのだ いるはずのない このよのものではない 精霊が ひとり そのこどもに遭わなければ 旅は終えられない ひとつのまるはない 一卵性双生児とてそれほど似ているものではないのだから こどもが どちらに似ているのかは本来どうでもいいことなのだが どーでもいいよにみえてじつは どーでもいくない むずかしいむずかる幼児コロコロかーとに載せてひいてやる ひいてもらう ひいてもらうのかひいてやるのかたぶんふたりのどちらが表になるのか裏になるのか双方髪が漆黒ベタ墨色だから並んで立っていると折り重なってひとりにみえる桎梏なさげにうっちゃりノンシャランに擦れ違いざまつぶやくHi!にHow are you doing?をつけくわえ いいからちったぁこんじょすえてけつあげろうごきはじめろ お尻かっちんリセットしてもいちどスタート スロウから徐々に加速せよ てんすうは勘定すなよ特質点のみに集中せよ 持ち駒に ならないカードはいくつある?
再見をきめる ために        離陸せよ
いまは    時の渦の ただなかにある

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