たがいちがいに不定形の帯をえがきながらやってくる稀薄と濃密に負けまいとする
力もたいしていれないのにたゆたいながら揺られながら
それでも流れにあらがう方向にむかって立ちつくしてしまう。
薄いから速いとも濃いから遅いともかぎらないし
重いから密とも軽いから稀ともかぎらないし
あ、ついでに、と思い出したように振り向いて付けなされる死の宣告
にたまたま向きあう方向に居あわせてしまう。
流れのそちこちにむすぼれとけぬよどみや渦ににた大きい小さい想いのつぶの輪郭の曖昧にぬれた塊を遺しながら
おもいぬられておみなえし流れていくのはだれなのか
みおつくしはどちらなのか
感情に全身びしょびしょにみたされ
みたされぬ愛にひたされ
ひたすら全霊を消尽して出会えばかならず暴力にぶつかってしまう
すれちがえばそのつどそのかずだけ泣いてしまう
流れの筋のわずかなすきまに祥福を透かしみて昏い明るいはただの落差である。すべてが反射し透過し遅延しながら到来する光であって
絶対光はどこにもみえないのに
うれしいときはそのつどそのかずだけ泣いてしまう
遅れながら泣いてしまう
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