2019年10月1日火曜日

自然からの復讐(もしくは懲罰)?

だいぶ以前の話になるが・・さる薬品会社のPR誌に小コラム書くためにわざわざ専門医師に取材に行ったのだが、内臓脂肪が体に悪いというのは、内臓脂肪がまるで独立した一つの臓器のように、数々のホルモンを分泌するからなのだ、という話。そのホルモンあるいはメッセージ物質は体の他の箇所に働きかけ、その個体に早死にをもたらす。高血圧だったり心臓疾患だったりのリスクを高めるんだそうで、内臓脂肪が伝えるメッセージに良いものは一つとしてないらしい。
という話を聞けば、みんなすぐそう感じるだろうか? その取材の折に医師が洩らしたこと。これってあたかも自然の摂理ですよね。群れのなかで食物を独り占めする強い(権力のある)個体があって、どんどん食べるもんだからどんどん肥って内臓脂肪を貯めこむ。そんな個体は群れにとって邪魔だから、早死にするよう自然が命令するのだ・・と。
その伝でいけば、栄養状態が良くて女性ホルモンが盛んに出ていてそれなのに妊娠出産しない個体に乳癌・子宮癌のリスクが有意に高いというのも、似たような自然の摂理ではないのか。そんな個体は群れのためにならないので、早々に癌を発生して死んだほうがいいのだ、と。それって世間が乳癌あるいは子宮癌になったその条件にあてはまる女性に対して言うのであれば、これは完全に差別であって許されることではない。エイズ禍真っ盛りの頃のアメリカで、エイズを発症するゲイの男性たちはやっぱり自然に反する行いをしているので自然の摂理で死病になるのだとか原理主義的保守派から指弾される一方、ゲイの女性では乳癌が「レズビアンのエイズ」と呼ばれるほど猛威をふるっていて(だってアメリカとか先進国のレズビアンって上に挙げたリスクに大抵あてはまるでしょ?)これまた自然の摂理的語られ方をして、当事者らを怒らせていたのだ。
・・しかしtarahineが当事者になってみて、しかもその癌がまさしく「女性ホルモンを餌にして成長するヤツです」というご託宣もとい検査結果が出てしまうと、当事者自身としてはやっぱり自然から復讐(もしくは懲罰?)されているな・・と感じずにはいられない。そのとおり。tarahineは食べるのが大好きで栄養状態良くこってり小肥りで、恋愛沙汰もそれなりにこなし女性ホルモンもおそらくたっぷり出ていて、それなのに妊娠出産しようとしない、自然に反した生きかたをしているので、自然からしっぺ返しされたのだ、と。

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