2019年7月26日金曜日

医の善意を疑え

 先般のエントリーは医学的ロゴスがしっかりした倫理で縛られており個々の医師の動機が善意・誠意で支えられていることを最低限の条件として語ったものだけど、もちろん世の中には悪徳医師も欲得医師もいるしそれ以前に医の世界であっても資本主義の論理、金儲けの動機から自由でいられるわけがないのであって・・それはまた別の話。
 もういまさら言っても詮無いことかもしれないが、ひところのピンクリボン運動に当の当事者らに(t...も含めて)冷淡な者が多かったのもその事情。「癌は早期発見・早期治療が大切」とか「乳癌を早期発見するためにマンモグラフィー検診を」とか、100%間違っているとは言えないもののかなりの程度で怪しい(どれくらいの程度正しくてどれくらい怪しいかは諸説あるので決めつけずにおくけど)言説を100%正しいかのように言いたててキャンペーン張るのは、これはどう考えてもマンモグラフィというかなり高価な機械をどんどん売るための宣伝戦略としか見えなかった。ちなみに受けたことない人は知らないだろうけど、あれが平気だという人ももちろんいるだろうけど、あんな心身ともに苦痛を強いる検査はもう二度とまっぴらごめんだねという人も多いはず。世の中にはもっと楽な検査(エコーとか)もお安い検査(エコーとか)もタダの検査(自分で触る)だってあることをもっと周知させたほうがいいんじゃないの。さらにマンモはこれまでは見落とされてきたステージ1未満の癌のタネも見つけてしまい、そんなもん当面放っておいても問題ないかもしれないのに、見つかってしまった以上放っておくというわけにもいかないということで治療の機会が増えてしまう(=医師のお仕事が増える)ことにもなるのではないか。このあたり善意と誠意の医師からは猛反論ありそうな気もするが・・。
 あと、新薬が開発されてから(そのお薬が効く)新しい病気が発見されるというのもよく知られた話で、新しい病気は言い過ぎであっても、これまで放っておかれてたようなちょっとした不具合がいきなり病気としてクローズアップ(ちなみにクロースアップが正しい発音)されて、治療せずにはおかれないような気にさせられてしまう。もちろん新薬をどんどん売るための宣伝キャンペーンなわけです。その病気を放置することによるデメリットと、新薬の副作用などのデメリットの軽重を比較するなんてことは決して勧められず、その病気を退治することが国民的一大事であるようなキャンペーンが張られる・・。(具体的に何のことを言ってるかおわかりだろうか・・)。

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