2019年12月23日月曜日

お腹の脂肪を・・

tarahineの肉体をフィールドにして自分の「作品」を創りあげたのが、tarahineの形成外科医だった。
実際のところ腫瘍の摘出手術は、初発のときの全身麻酔手術、再発のときの部分麻酔手術と二度体験しているが、それ自体それほど大したことはなかったのだ。手術時間もそれほどかからなかったし、手術後の回復もスムーズだったし。むしろ身体に(心にも)大きな負担をかけたのは、再建手術の方だった。
初発のときに乳房温存手術を諦めた時点から「では再建を」と申し出ていたのだが、当時の(最初の)乳腺外科の主治医は、「でも、ま、美容のことだしね」って消極的だった。(その「美容」の文言にかなりカチンと来た。その医者の価値観からすれば癌の手術と治療は生死に関わる大問題だから真剣に取り組む。再建なんて美容上のことで生死に関わりないし必須でもないので後回しと。tarahineに言わせれば、それはQOL上必須でしょうがぁ!治療とは現状に復元して初めて治療でしょうがぁ!と吠えたくなるのだったが・・)。しかし結果的には摘出手術後しばらくして(しばらくは片っぽ欠損のまま下着だのTシャツだのに工夫して外見からはそれと気づかれぬようにしてたけど)形成外科医を紹介してもらい、話し合いの末、再建手術をお願いする次第になる。最初の主治医はその総合病院の副院長の立場にあったのだが、その先生に言わせると「若くて熱心な先生。どうしてもやらせて欲しいと切望している」。確かにその通りだった。
いまでは(美容形成と同じく)シリコンだの人工物を使った手術の方が一般的かもしれない。そっちの方が圧倒的に負担少なくて済むもんね。もちろん当時もその選択肢はあったが、なんだか人工物というのが嫌で、自前の組織(自分の体の他の部分)を持って来て作るという方法を選んだ。(この選択基準、本当に合理的かと言えばそうでないような気もする)。
で、どこの組織を持ってくるか? ここに至って選択基準はさらにボロボロになる。二つ方法あります。背中の脂肪をぐるっと持ってくるやり方、もうひとつはお腹の脂肪をよいしょっと上に持ってくるやり方。笑っちゃいますが、そう言われて「やった!お腹の脂肪を取ってもらえる!」と思わない女子はいるでしょうか?(いや、もちろんいるでしょうけど)。
愚かにもtarahineは「お腹!」と即答しました。そして、女友達らには「ずるい!」とか羨ましがられさえしましたよ。
で、実際の手術は思ったより大変だった・・。きっとそんなことの説明(インフォームド)もちゃんとなされてたんでしょうけど、耳で流してたんでしょうね・・。手術時間も予定より長くかかったし、目覚めたあとの体の感覚ももう大変で、回復にも時間がかかった。どんな時でも食べるtarahineが食欲なくなり、手術の翌日はけっきょく一日食べることができず、形成外科医に「意外とあかんたれやな」と心配される始末であった。

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